w-qey’s blog

解離性障害とPTSDと薬物依存症です。不定期に更新します。

次に逢うときは君の空色の傘を

私はとても冷たい雨に打たれて、あまりの寒さと寂しさに

ずっとずっと泣いていました。君はそんな私を見かねて

冷たい雨の中、隣に走り寄ってきてくれました。

私も君も傘を持ってなかったから私は君を責めました。

「これじゃ雨をしのげない、どうして私の上にかざすものを持ってきてくれなかったの」

君は申し訳なさそうな顔をしてごめんなさいごめんなさいと言いました。

それでも私の隣に居てくれました。

雨の冷たさは増すばかりで私の手足の指先は痛んでいました。

君の手足の指先も痛んでいたことでしょう。

でも私は自分の痛みをどう和らげようかそればかり考えていて

君が隣に居ることを当たり前のことだと思っていました。

永い永い時間を私と共にしてくれていたのですね。

君もとうとう泣き出してしまいました。

ごめんなさいごめんなさいと繰り返しながら

「私も身体中が痛いよ」と私の隣から走り去ってしまいました。

私の隣にぽっかりとあいた空間を感じた瞬間

君がどれだけ温かな存在だったのか、どれだけ私が傲慢だったのか

悟りました。空虚感とやり場のない怒りだけが残りました。

冷たい雨の中、君が私にくれようとしていたもの、形を成さないかけがえのないもの。

どうして君を責めることができますか?

雨はまだ降っています。けれどやわらかく秋雨のようになってきました。

私の手足も治ってきています。

君の雨は止みましたか?

痛みは和らぎましたか?

もう泣いていませんか?

私の痛みが全て消えたとき、もし君がまだ苦しい痛いと言うのだったら

今度は私が傘を持ってどんな大雨の中でも君の傍に参りましょう。

ほら、ここはもう薄日がだいぶ差してきているよ。

暖かくなってきているよ、明るくなってきているよ。

私はずっと待ってるよ、私は待つことしかできません。