小石
私は
私の目の前で這っている君に1つずつ小石をのせていきました。
君が私から遠ざかろうとするから1つずつ小石をのせていきました。
君が私の涙を拭ってくれないから1つずつ小石をのせていきました。
君が私の悲鳴に気づいてくれないから1つずつ小石をのせていきました。
君が私の事を理解しようとしてくれないから1つずつ小石をのせていきました。
君が私の事を人としてじゃなくモノとして扱ったから1つずつ小石をのせていきました。
やがて小石は積み上がり積み上がり君の上に山となりました。
私はそのまま待ちました君が何も言わないから私はそのまま待ちました。
君の下に塩辛い水溜まりができていて私は初めて知ったのです。
君の呼吸がもうすぐに途切れそうな事を私は初めて知ったのです。
私の胸は急激に凍りつきました顔から血の気が失せました。
私は慌てて君の上に積み上げた小石を払い落としました。
それでも私はどこまでも傲慢でした。
さあどこにでもいけ今でも僕の胸をチクチクと刺します。
フラフラと遠座っていた君の後ろ姿はお元気ですか、君の笑顔を戻っていますか?